2019/11/27 (WED)

2020年1月12日(日)・13日(月・祝)公開シンポジウムのご案内 「25年目のスレブレニツァ — ジェノサイド後の社会の相克と余波、集合的記憶」

OBJECTIVE.

1995年7月ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争末期に、スレブレニツァおよびその近郊で発生したセルビア人勢力によるイスラム教徒の成人男性に対する集団殺害事件は、凄惨なボスニア紛争の中でも旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所(ICTY)から、唯一「ジェノサイド」と認定された象徴的な事件です。
本シンポジウムは、スレブレニツァ事件発生から25年の節目に、現在も多方面に影響を及ぼし続けるこの事件を、内外から専門家・研究者を招き、(1)地域研究・歴史学、(2)国際刑事裁判と国際法学、(3)国連PKOと国際政治学という3つの視角による3つのセッションを通じて多角的に検討、再構築するものです。
一セッションのみの参加も歓迎します。皆様のお越しをお待ちしています。


開催概要

日  時 2020年1月12日(日)13:00~17:00(第1セッション)、1月13日(月・祝)13:00~18:00(第2&第3セッション)
場  所 立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンスルーム
主  催 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科・社会デザイン研究所
対  象 本学学生,教職員,校友,一般市民
申し込み 不要
参加費  無料
主  催 21世紀社会デザイン研究科・社会デザイン研究所

お問合せ 立教大学独立研究科事務室 TEL 03-3985-3321 (月~金)10:30~18:30
*本シンポジウムは、JSPS科研費 17K02045の助成を受けて行うものです


*-*-*-*《プログラム》*-*-*-*
第1セッション【地域研究・歴史学の視点からみるスレブレニツァ】(講師は登壇順)
2020年1月12日(日) 13:00~17:00
★「 スレブレニツァで何が起きたか~事件を再構築する」 長有紀枝(立教大学)
★「もう一つのスレブレニツァ」 清水明子(慶応大学)
★「スレブレニツァと集合的記憶」 藤原広人(国際刑事裁判所)
★「投票行動にみるスレブレニツァの現在-“共存”の政治風土は醸成され得るのか」 橋本敬市(JICA)
★「バルカン地域とスレブレニツァ」 柴宜弘(城西国際大学)

第2セッション【国際刑事裁判と国際法学からみるスレブレニツァ】(講師は登壇順)
2020年1月13日(月・祝) 13:00~15:00
★「ICTYによる国際刑事捜査とスレブレニツァ」 藤原広人(国際刑事裁判所(ICC))
★「スレブレニツァ事件と国際刑事責任の基本原則」 佐藤宏美(防衛大学校)
★「スレブレニツァ事件がICCにもたらしたもの」(仮題) 尾崎久仁子(前国際刑事裁判所(ICC)判事)

第3セッション【国連平和維持活動(PKO)と国際政治学からみるスレブレニツァ】(講師氏名は登壇順)
2020年1月13日(月・祝) 15:30~18:00
★「スレブレニツァと国連PKO」 明石 康(元国連事務次長・元旧ユーゴスラヴィア問題担当事務総長特別代表)
★「国連PKOに適用される行為帰属法理:スレブレニツァをめぐるオランダ国内裁判所の判例から」 岡田陽平(神戸大学)
★「スレブレニッツアと「文民の保護」の現在」 篠田英朗(東京外国語大学)



*-*-*-*登壇者略歴・登壇順*-*-*-*

清水 明子(しみず・あきこ):慶応義塾大学文学部人文社会学科(史学系)教授
1998年東京大学博士課程人文科学研究科単位取得退学。2000年レーゲンスブルク大学博士課程を修了(Dr. phil.)。同大学文学部講師、在ユーゴスラヴィア日本国大使館専門調査員などを経て、2011年慶應義塾大学文学部准教授。2017年同教授。ヨーロッパ周縁にナチズムがもたらした支配の実態、地域の「民族」関係の変容などを解き明かす研究を行っている。専門領域:ドイツ現代史・ユーゴスラヴィア史

藤原 広人(ふじわら・ひろと):国際刑事裁判所書記局対外活動局国別分析ユニット長
国際基督教大学教養学部社会科学科卒。日本長期信用銀行勤務を経て、国際基督教大学大学院行政学研究科(MA)およびオランダ・ライデン大学法学部大学院修了(LL.M.)。ベルギー・ルーバン大学法学部博士(PhD)。UNHCR ウガンダオフィスにて難民保護官補として勤務(1993‐1995年)後、1995年より国連旧ユーゴスラビア刑事裁判所(ICTY)検察局に入り、旧ユーゴ諸国における戦争犯罪・ジェノサイド等国際犯罪の証拠分析に従事。ニューヨークの国連本部政務局ブット事実調査委員会分析官、カンボジアのクメール・ルージュ法廷捜査判事室を経て現職。博士学位論文は“The International Criminal Investigation and the Formation of Collective Memory in Post-Conflict Societies – An Analysis of Investigation Process and an Epistemology of War Crimes”(「国際刑事捜査と紛争後社会の集団的記憶の形成—捜査過程の分析および戦争犯罪の認識論」)

橋本 敬市(はしもと・けいいち):国際協力機構国際協力専門員・平和構築/民主化支援担当
大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了(国際公共政策博士)。新聞記者、在オーストリア日本大使館専門調査員、上級代表事務所(OHR)政治顧問を経て、2002年より現職。主な著作に『紛争と復興支援 平和構築に向けた国際社会の対応』(分担執筆、有斐閣2004年)、「ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける和平プロセス—国際社会による強権的介入」(『国際問題』2003年7月)など。

柴 宜弘(しば・のぶひろ):城西国際大学特任教授・東京大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科西洋史学博士課程修了。1975~77年、ベオグラード大学哲学部歴史学科留学。敬愛大学経済学部、東京大学教養学部を経て、1994年東京大学大学院総合文化研究科教授(2010年退官)。専攻は東欧地域研究、バルカン現代史。主な著書に『バルカンの民族主義』(山川出版社1996年)、『ユーゴスラヴィア現代史』(岩波新書1996年)、『新装版 図説 バルカンの歴史』(河出書房新社2015年)など。他に共著、編著、論文多数。

佐藤 宏美(さとう・ひろみ):防衛大学校国際関係学科教授
1992年東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業、1994年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、1998年英国ケンブリッジ大学大学院修士課程修了、1999年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学、2008年法学博士(東京大学)。1999年防衛大学校国際関係学科助手、2002年同講師、2005年同助教授(2007年准教授に改称)、2015年同教授。専門分野:国際法、国際刑事法。主な著書に『違法な命令の実行と国際刑事責任』(有信堂高文社2010年)。

尾崎 久仁子(おざき・くにこ):前国際刑事裁判所(ICC)判事
東京大学教養学部卒。オックスフォード大国際関係論修士(M.Phil)。1979年外務省入省。条約局法規課、国際連合日本政府代表部、法務省刑事局等に勤務し、1998年法務省難民認定室長、1999年外務省人権難民課長(現在の人権人道課長)。その後東北大学大学院法学研究科教授を経て、2004年在ウィーン国際機関代表部公使、2006年国際連合薬物犯罪事務所(UNODC)条約局長。2010年~2019年まで国際刑事裁判所判事。2013年には同裁判所の第1裁判部長、2015年から2018年まで第2副所長。

明石 康(あかし・やすし)元国連事務次長、国立京都国際会館 理事長
東京大学教養学部卒業。バージニア大学大学院修了(フルブライト奨学生として)。 1957年国際連合職員。事務局政治安保理局、特別政治問題担当事務次長室、事務総長官房で勤務。 1974年外務省国連日本政府代表部参事官、公使、大使。 1979年国連広報および軍縮担当事務次長、1992年国連カンボジア暫定統治機構国連事務総長特別代表、1994年旧ユーゴ問題担当・国連事務総長特別代表、1996年人道問題担当国連事務次長、1997年12月国連退任。2009年国際文化会館理事長、2019年国立京都国際会館理事長に就任。著書に『カンボジアPKO日記——1991年12月~1993年9月』(2017年、岩波書店)、 『国際連合——軌跡と展望』(2006年、岩波書店)、『生きることにも心せき——国際社会に生きてきたひとりの軌跡』(2001年、中央公論新社)、『忍耐と希望——カンボジアの560日』(1995年、朝日新聞社)など。

岡田 陽平(おかだ・ようへい)神戸大学 大学院国際協力研究科 准教授
2010年京都大学 法学部 卒業、2012年京都大学大学院法学研究科修士課程修了、2015年同博士後期課程修了(博士)。2012年日本学術振興会 特別研究員(DC1)、2015年4月、京都大学 大学院法学研究科 特定助教、2015年10月より神戸大学 大学院国際協力研究科 准教授。研究課題は、国際責任法、国際機構法、国際人権法、国際の平和と安全の維持に関する研究。主な著作に'Effective Control Test at the Interface between the Law of International Responsibility and the Law of International Organizations: Managing Concerns over the Attribution of UN Peacekeepers' Conduct to Troop-Contributing Nations', Leiden Journal of International Law, vol. 32(2) (2019, pp. 275–291)

篠田英朗(しのだ・ひであき)東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
1991年早稲田大学政治経済学部卒業、1993年同大学院政治学研究科修士課程修了、1998年ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了(国際関係学博士[Ph.D.])。ロンドン大学およびキール大学で非常勤講師を務めた後、1999年より広島大学平和科学研究センター助手、2005年より助教授(07年に准教授の改称)及び同大学国際協力研究科を兼務。2013年4月より東京外国語大学総合国際学研究院教授。紛争後地域における平和構築活動について研究を進めている。ケンブリッジ大学ローターパクト国際法研究センターおよびコロンビア大学人権研究センターの客員研究員を歴任。著書は、『憲法学の病』(新潮新書、2019年)、『ほんとうの憲法—戦後日本憲法学批判』(ちくま新書、2017年)、『集団的自衛権の思想史—憲法九条と日米安保』(風行社、2016年)<第18回読売・吉野作造賞>『国際紛争を読み解く五つの視座:現代世界の「戦争の構造」』(講談社、2015年)、『平和構築入門:その思想と方法を問う』(ちくま新書、2013年)、『「国家主権」という思想:国際立憲主義への軌跡』(勁草書房、2012年)<第34回サントリー学芸賞>、『国際社会の秩序』(東京大学出版会、2007年)、『平和構築と法の支配:国際平和活動の理論的・機能的分析』(創文社、2003年)<朝日新聞社第3回大佛次郎論壇賞>、『Re-examining Sovereignty: From Classical Theory to the Global Age』(Macmillan, 2000[中国語訳版{商務印書館、2004年}])など多数。一般社団法人広島平和構築人材育成センター(HPC)代表理事。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮する。

長 有紀枝(おさ・ゆきえ)立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授
JSPS科研費基盤研究C(一般)17K02045「ICTY判決とジェノサイド後の社会の相克—スレブレニツァを事例として」(2017~19年度)研究代表。
1987年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1990年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。2007年東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム博士課程修了(博士)。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授を経て、2010年4月より同研究科および社会学部教授。2019年10月より立教大学副総長(社会連携担当)。1990年より国際協力NGO難民を助ける会(AAR)にて、在日インドシナ難民学生のためのボランティアを開始、1991年より2003年までAARの専従職員として、紛争下の緊急人道支援や難民支援、地雷対策に携わる。同会の旧ユーゴ駐在代表として現地滞在時にスレブレニツァ事件に遭遇、後に博士学位論文で同事件を扱う。
主な著書に『スレブレニツァ あるジェノサイドをめぐる考察』(東信堂、2009年)、『入門 人間の安全保障~恐怖と欠乏からの自由を求めて』(中央公論新社、2012年)など。2019年4月よりボスニアのスルプスカ共和国政府の任命により、国外の委員9名からなる国際専門家委員会「1992‐95年の間のすべての犠牲に関するスレブレニツァ独立国際調査委員会」に参加。


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