人生後半の生き方は「目の前の一人と向き合いたい」

読売新聞東京本社 笹原明代さん

2022/06/10

修了生

OVERVIEW

大手新聞社でお仕事をされる笹原明代さんにお話しを伺いました。

「人生100年時代」どう生きるか
仕事、家庭、子育てや介護に忙殺される日々。50歳を目前にふっと「空っぽの自分」に気づき、この先長い人生を生きていくためにはインプットが必要だと強く感じました。様々な学びに触れる中で社会の実態と課題について体系的に学びたいと考えました。21世紀社会デザイン研究科を選んだのは、多様な専門性を持つ教員の方々から理論と実践を学べることが魅力的だったからです。

研究を通じて見えた「これからの生き方」
研究テーマは「働く女性の仕事と家庭の両立から生じる葛藤」です。研究では自身の「モヤモヤ」と対峙し、問題意識という輪郭を与え、社会課題として広い視野で捉えることを通じて、「女性が自分自身でいられる社会」のありようについて考察しました。調査の中で性別役割分業を担う女性が抱える消耗感や先行きへの不安感、自身への過度な低評価などの生きづらさを知り、そして誰でもない一人の人間としてあることの大切さ、自己を肯定できるための支援の必要性を痛感しました。論文を書きながら「自分に何ができるだろう」という想いが胸に浮かび、自分の望む生き方が徐々に見えてきたように思えました。修了後の今は心理支援者を目指して、心理学やカウンセリングなどの学びを続けています。
これまで新聞社で何百万という数の人に情報を伝える仕事をしてきましたが、人生後半のキャリアでは、目の前の一人に向き合うことで社会と関わっていきたい。それはまさに研究科で学んだ理論からの実践になると考えています。素晴らしい先生方、心通う仲間と過ごした厳しくも楽しい2年間が、私に新しい生き方の扉を開いてくれました。大人の学びの豊かさと実りは得難い宝であり、長い人生を導いてくれる羅針盤ともなります。
「学びたい」気持ちを大切に一歩踏み出せば、そこには無限の可能性が広がっていることを、大学院入学を考えている方達にはぜひお伝えしたいと思います。


※記事の内容は取材時点のものです。

プロフィール

PROFILE

笹原明代さん

読売新聞東京本社 調査研究本部 専門委員
2020年3月修了

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