大学院は想像してなかった人生の転機となる

島根県隠岐郡海士町役場勤務 教育委員会・半官半X特命担当 篠木理沙さん

2024/02/06

修了生

OVERVIEW

官民の懸け橋となり地域の魅力化に取り組む篠木理沙さんにお話しを伺いました。

文中紹介の4年に1度の大祭の様子。後列で横笛を吹く篠木さん。

研究テーマとの出会い~移住を決意するまで
私の研究テーマのきっかけは、主指導の中村陽一教授(現・本学名誉教授)に紹介していただいた本でした。それは、島根県の離島である海士町が、人口減少による地域存続の危機に直面した際、高校の魅力化によって乗り越えた過程を描いた本です。本に感動し、すぐに海士町を訪れました。そして、高校魅力化プロジェクトを研究の題材に決め、卒業生は地域へ還流するのかというテーマで研究を始め、考察の一つとして、還流には地域の魅力化が必要だとしました。
海士町はこれまでも、地域活性化のため地域全体で対話の場を持ち、挑戦を重ねてきました。役場では令和3年から、役場だけでなく地域の事業所でも働ける半官半X制度をつくりました。私は研究の中でその制度を知り、大学院の修了とともに転職し、海士町へ移住しました。

入学時には想像していなかったキャリア選択
私の現在の仕事は、教育委員会で官の業務を担当しながら、地域の事業所でも勤務をしています。現場で働くことで地域の視点を持ち、地域の人々との繋がりを広げる中で、高校の卒業生だけでなくインターン生やIターン者の定着と還流にも関心を持ち、より魅力的な地域にするため何ができるかを考え、取り組んでいます。先日、町長はじめ管理職に1年間の報告会を行った際、みんなで地域のためになる制度に改善していこうという話があり、この協働して挑戦を重ねる海士町で充実した日々を過ごしています。修論は一度書き上げましたが、修了後も引き続き実践と研究が続いている感覚があります。
また、生活においては、地区の4年に1度の大祭に向けて、私は神楽の横笛を担当し、週に2回、地区公民館に集まって練習しています。地域の人々との繋がりが少しずつ増え、支えてもらいながら楽しく過ごしています。
温かくご指導をいただいた先生方と素敵な同期のみなさんのおかげで、修論を書き上げることができ、入学時には想像もしていなかったキャリアを選択することになり、感謝しかありません。大学院は人生の転機となる時間が過ごせると私は思います。

※記事の内容は取材時点のものです。

プロフィール

PROFILE

篠木理沙さん

大学を卒業後、東京の私立高校で10年間事務職員として勤務。同時に地域コミュニティをつくる社団法人に加入し、学校が地域の拠点となるコミュニティづくりを学ぶため、研究科に入学。研究科修了とともに、海士町役場へ転職。教育委員会に配属、また半官半X特命担当として、ホテル「Ento」を経営する株式会社海士に週2日勤務。教育と魅力的な地域づくりという修論のテーマを実践中。
2022年3月修了

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