社会デザイン研究所Rikkyo Institute for Social Design Studies

社会デザイン研究所は、研究科で行われている教育・研究と学会で深められている研究の双方を踏まえながら、社会デザインというキーコンセプトをさらに実践的な場で活かしていこうとするものです。異なる価値観を持つ人々が共生していくための知恵や仕掛けや仕組みを、これまでの常識にとらわれず、さらにより良いものへと変革していく営為を社会デザインとするならば、その現実社会における具体化を図ろうとすることが当研究所にとってのミッションであると考えています。

概要

研究所の特徴
1.課題解決としての社会デザインを追究する
理論的・構造的な追究はもとより、現場と往復し、当事者性と内発性をそなえた実践的な研究を重視します

2.そのための実践的なプロジェクト研究を推進する
これまで21世紀社会デザイン研究科や社会デザイン学会が蓄積してきた国内外の多様なネットワークを活かした実践的なプロジェクト研究を推進します

3.社会デザインの推進人材としてのソーシャルデザイナーを輩出する
研究科・学会はもとより、学内外の様々な場と結びながら、ソーシャルデザイナーが育つ場づくりを進めます
研究プロジェクト一覧

2025年度研究プロジェクト

離島地域の社会デザイン
プロジェクト内容:社会デザインの視点から、二地域居住を支えるワークライフ・住宅・施設のデザインなど、離島での二地域居等新たな暮らしについて研究する。
プロジェクト期間:2023年4月~2026年3月
大規模自然災害および戦争・紛争・重大な人権侵害による大量・多数遺体の処置に関する研究
プロジェクト内容
・大規模自然災害における多数遺体の処置について、諸課題の洗い出しとともに、将来の大規模自然災害として、多数の死者が想定されている南海トラフ巨大地震に対する、関係自治体の施策推進状況やニーズの整理などを行う。
・ウクライナ戦争における遺体の処理状況などを、ボスニア紛争やシリア紛争などとの比較から検討し、課題や日本の国際協力でできる貢献などを検討する。
プロジェクト期間:2023年4月~2026年3月
SNS・ファクトチェック研究プロジェクト
プロジェクト内容:SNSや動画等のソーシャルプラットフォーム上には誤情報、偽情報、悪意のある情報などのフェイク情報が溢れている。それらのフェイク情報は選挙の投票行動や災害対策、感染症対策、消費者行動等に悪影響を与え、民主主義や社会の安全を脅かす恐れが高まっている。そこで、本研究プロジェクトでは、フェイク情報の実態と発生・拡散メカニズムを把握し、言論や表現の自由、公共の福祉を考慮しつつ、法規制やプラットフォームの自主規制、SNS利用者のリテラシー等の対策について研究する。
プロジェクト期間:2025年4月~2028年3月
モバイル建築研究プロジェクト
プロジェクト内容:南海トラフ地震の巨大災害リスクの切迫性が高まりつつある。被災後に大量の応急仮設住宅を建設する必要があるが、現在のプレハブ仮設住宅は量的、質的に限界がある。そこで、国産材を利用した本設移行が可能な恒久仕様のモバイル建築の活用が期待されている。本研究プロジェクトでは、リスクガバナンス及び災害レジリエンスの視点から、モバイル建築に関する技術開発に取り組むとともに、木造モバイル建築の生産・供給・建設のための法制度、DX化及びサプライチェーンの在り方について研究する。
プロジェクト期間:2025年4月~2028年3月
デジタル空間デザインプロジェクト
プロジェクト内容:地方創生や被災地復興において、地域の森林資源や地域人材を活かした新たな地場産業の創出が課題となる。その際、デジタル技術を活用した新たな印刷技術や3Dプリンター等の加工技術によるデザインが求められる。そこで、本研究プロジェクトでは、最新のデジタル印刷技術等を利用した空間デザインによる新たな産業創出や人材育成の在り方について研究する。
プロジェクト期間:2025年4月~2028年3月
「美味礼賛」を起点とした食の社会的な価値探求プロジェクト
プロジェクト内容:食とは何かという問いは、人間とは何か、社会とは何かという問いと同様に難解である。それは、食を単に食品やその栄養といった機能的な側面から見るだけでは捉えきれないからである。食とは何かという疑問に迫った文献は数多く存在するが、最も古典的なものの一つに挙げられるのは、ブリア=サヴァランによる『美味礼賛』(原題 Physiologie du goût [味覚の生理学]) ではないだろうか。1825年に出版されたこの著作は、日本でも複数回翻訳され、近年も新たな解説書が出版されるなど、食に関する名著として広く知られている。
 ブリア=サヴァランは、美味学を単なる味覚の探求にとどまらず、生命維持や社会階層との関連、さらには商業や国民経済とも深く関わる包括的な概念として捉えていた。『美味礼賛』における「美味学」の定義は、現代社会における食の価値を考察する上で重要な示唆を与えてくれる。本書で言及される「商業」「貿易」「工業」といった要素は、現代の食を取り巻くグローバルな経済システムと深い関連がある。
 本プロジェクトでは、『美味礼賛』を起点に、200年前のフランス社会における食の価値を抽出し、現代日本社会における食の価値と比較することで、グローバル化や情報化といった社会の変化や技術が食の価値に与える影響を探る。また、過去の食の価値の変遷を踏まえ、未来の食の価値がどのように変化していくのかを研究する。
プロジェクト期間:2025年4月~2028年3月
社会デザイン学の未来
プロジェクト内容:研究所の全所員が、それぞれの専門領域から、社会デザインの実践や社会デザイン学について検討を加え、教科書に採用できるような書籍の発行を目指す。
プロジェクト期間:2023年4月~2026年3月
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